自動移換の対象から外れる2つのルート
第83条第1項第1号は、期間内に「第五十四条の四、第五十四条の五、第八十条若しくは第八十二条……の規定により移換されなかったもの」を自動移換の対象にしています。 裏を返せば、期間内にどれかで移換していれば対象になりません。 退職した個人が実際に選ぶのは、このうち第80条と第82条です。
ルートA:転職先の企業型年金へ(第80条)
確定拠出年金法 第80条(企業型年金加入者となった者の個人別管理資産の移換)
次の各号に掲げる者(当該企業型年金又は個人型年金に個人別管理資産がある者に限る。)が甲企業型年金の企業型年金加入者の資格を取得した場合において、甲企業型年金の企業型記録関連運営管理機関等に対し、その個人別管理資産の移換を申し出たときは、当該各号に定める者は、当該申出をした者の個人別管理資産を甲企業型年金の資産管理機関に移換するものとする。
条文の構造は「甲企業型年金の加入者の資格を取得した場合において、その個人別管理資産の移換を申し出たときは……移換するものとする」です。 転職先の企業型年金に入っただけでは動きません。申し出が要ります。
ルートB:個人型(iDeCo)へ(第82条)
確定拠出年金法 第82条(個人型年金加入者となった者等の個人別管理資産の移換)
企業型年金の企業型年金加入者であった者(当該企業型年金に個人別管理資産がある者に限る。)が連合会に対し、その個人別管理資産の移換の申出をした場合であって、当該移換の申出と同時に第六十二条第一項若しくは第六十四条第二項の規定による申出をしたとき、又は個人型年金加入者若しくは個人型年金運用指図者であるときは、当該企業型年金の資産管理機関は、当該申出をした者の個人別管理資産を連合会に移換するものとする。
こちらも「連合会に対し、その個人別管理資産の移換の申出をした場合」が 起点です。転職先に企業型年金がない場合や、しばらく働かない場合はこちらになります。
共通していること
- どちらも「申し出たとき」に動く。放置は第83条(自動移換)へ落ちるだけです。
- 期限は同じ。資格喪失日が属する月の翌月から6か月以内(数え方の根拠)。
- 期限を過ぎても資産が消えるわけではない。連合会へ移換されます。ただし通知が届かない場合の扱いはこちら。
申出先・必要書類・手数料はこのサイトでは書きません。これらは法律ではなく、加入していた企業型年金の運営管理機関と国民年金基金連合会が 定めているためです。条文から確かめられないことを確かめたように書かない方針です(引用ポリシー)。
引用した条文は 2026-08-23 に e-Gov法令検索から取得した原文です。要約・意訳はしていません。