6か月は、どこから数えるのか
結論から言うと、起算点は退職日でも資格喪失日でもありません。 「資格を喪失した日が属する月の翌月」です。ここを1段飛ばすと、期限が1か月ずれます。 順に条文を見ます。
第1段:資格喪失日は「退職日の翌日」
確定拠出年金法 第11条(資格喪失の時期)
企業型年金加入者は、次の各号のいずれかに該当するに至った日の翌日(その事実があった日に更に前条各号のいずれかに該当するに至ったとき、第五号に該当するに至ったとき(厚生労働省令で定める場合に限る。)又は第六号に該当するに至ったときは、当該至った日)に、企業型年金加入者の資格を喪失する。
柱書が「該当するに至った日の翌日」と書いています。そして退職に当たるのは第2号です。
二 実施事業所に使用されなくなったとき。
会社に使用されなくなった日=在籍の最終日の翌日が資格喪失日になります。 退職日そのものではありません。
注意:第11条には他の号もあり、事情によっては「当該至った日」が 資格喪失日になる場合が括弧書きで定められています。ご自身の正確な資格喪失日は、 加入していた企業型年金の記録関連運営管理機関が管理しています。
第2段:起算は「属する月の翌月」から
確定拠出年金法 第83条(その他の者の個人別管理資産の移換) 第1項第1号
当該企業型年金の企業型年金加入者であった者であって、その個人別管理資産が当該企業型年金加入者の資格を喪失した日が属する月の翌月から起算して六月以内に第五十四条の四、第五十四条の五、第八十条若しくは第八十二条又は中小企業退職金共済法第三十一条の三の規定により移換されなかったもの(当該企業型年金の企業型年金運用指図者及び次号に掲げる者を除く。)
長い一文ですが、期限に関わるのはここだけです。
資格を喪失した日が属する月の翌月から起算して六月以内
資格喪失日そのものからは数えません。その日が入っている月をまるごと飛ばし、次の月の初日から6か月です。 だから、資格喪失日が8月31日でも8月1日でも、起算日は同じ9月1日になります。
第3段:満了は「6か月後の月末」
民法 第143条(暦による期間の計算)
週、月又は年によって期間を定めたときは、その期間は、暦に従って計算する。
週、月又は年の初めから期間を起算しないときは、その期間は、最後の週、月又は年においてその起算日に応当する日の前日に満了する。
2項は「月の初めから起算しないときは応当日の前日に満了する」と書いています。 本件の起算日は必ず「翌月の初日」なので、この但し扱いに当たらず、6か月後の月の末日に満了します。 起算日が10月1日なら、満了は3月31日です。
3段まとめて、自分の日付で確かめる
最終出社日ではなく、有給を消化しきったあとの在籍最終日を入れてください。 企業型年金加入者の資格は、実施事業所に使用されなくなった日の翌日に 喪失します(確定拠出年金法第11条)。
- 1資格喪失日
2026年9月1日
退職日の翌日(法第11条:「該当するに至った日の翌日」)
- 2その日が属する月
2026年9月
この月は数えません。まるごと飛ばします。
- 3起算日(翌月の初日)
2026年10月1日
法第83条第1項第1号:「属する月の翌月から起算して六月以内」
- 4期限(この日まで)
2027年3月31日
起算日が月の初めなので、6か月後の月の末日に満了します(民法第143条)。 退職日からは 212 日です。
「退職日から6か月」と数えると 2027年3月3日 になります。 条文どおりの期限は 2027年3月31日 なので、 素朴に数えると 実際より早く締め切ってしまいます。
この日付は条文の数え方をそのまま当てはめた結果です。実際の資格喪失日が第11条の他の号に 当たる場合や、退職の形態によっては変わることがあります。ご自身の口座の期限は、加入していた 企業型年金の運営管理機関にご確認ください。
期限を過ぎたときに何が起きるかは 期限を過ぎるとどうなるか、 自動移換の対象から外れる方法は 移す先の選び方 にあります。
引用した条文はいずれも 2026-08-23 に e-Gov法令検索から取得した原文です。 要約・意訳はしていません。